ClearAI編集部|2026年10月30日
発表日:2026-10-29
SB Intuitionsは10月29日、国産LLM「Sarashina3.2 mini thinking」をSarashinaサービスに追加すると発表した。回答の前に問題を検討する思考モデルで、APIから思考の深さを3段階に設定できる。日本語の業務でAIを試す企業にとっては、回答精度だけでなく、待ち時間とのバランスを確かめる候補となる。
提供状況:無償ベータ版のSarashinaサービスに追加。公式発表はAPIのreasoning_effort設定を説明。重み公開やオンプレミス提供の発表ではない。

難しさに応じて思考の深さを変更
APIのreasoning_effortにはlow、medium、highを指定できる。同社は、コード生成、検索を伴う会話、非構造化データからの情報抽出、ツールを使うカスタマーサポートを例示した。Sarashinaサービスは無償ベータ版として提供されている。今回の発表はモデルの追加であり、重みの一般公開やオンプレミス製品の発売ではない。

評価結果には強みと限界
同社の比較では、日本語エージェント評価J-tau、関数呼び出しのBFCL v3、安全性のJMT-Safetyで比較対象中の最高スコアを報告した。一方、日本文化に関する評価は前世代より低下し、一部の科学知識・複数回の対話の評価では他モデルに及ばないと説明する。世界全体で最高性能という意味ではなく、公開された比較条件の範囲で読む必要がある。

実際の仕事で速度と正確さを比べる
【実務上の考察】思考を深くすれば常に業務に適するとは限らない。入力が定型で確認先も明確な処理では、短い待ち時間が重要な場合がある。逆に、複数の資料を突き合わせる作業では、回答の根拠や漏れを重視したい。同じ課題を3段階の設定で実行し、所要時間と人の修正量を記録すると、自社での使い分けを判断しやすい。

導入前の確認ポイント
【実務上の考察】比較には、過去の問い合わせを匿名化した課題や、実際の帳票に近い架空データを使う方法がある。回答形式の一致だけでなく、欠けた情報を勝手に補わないかも確認したい。正解できた例と失敗した例の両方を記録し、モデルや設定の更新後も同じ試験を繰り返せる形にしておく。

企業の業務活用への示唆
【実務上の考察】顧客対応を検証するなら、通常の問い合わせだけでなく、注文が見つからない場合や規程上キャンセルできない場合も試したい。正しい文章を返すことと、実際のシステムを安全に操作することは別の評価になる。最初は読み取り専用で試し、書き込み操作には確認段階を置く方法が考えられる。無償ベータの試験結果を、そのまま本番の品質や運用保証と見なさず、利用条件とデータの扱いも確認したい。

一次情報
提供状況は2026年10月30日時点。機能・利用条件は公式の最新案内をご確認ください。